エロと夫と私
半分転職してからあっという間に２週間が経ちまして
どっちかっつーと半分真っ青になりながらも
レジ打ちの期待の星として
キャンディクラッシュとテトリスを
同時攻略してるみたいに
コンボにコンボを重ねる毎日
その姿、まるで修羅が如く
皆さんにその勇姿を見せてあげられないのが
ほんと残念なんだけど
疲弊しきった身体とは裏腹に
心は満ち足りて帰路に着くわけです
いやー、お疲れーつってね
今日もやりきったーっつってね
すっかり夜も更け
時間も１２時になろうかって頃です
ヘトヘトになって
家路に着いたらば
パソコンの前でなにやら
夫が固まっているわけです
ついでにパソコン本体も固まっているわけです
しかも、超巨乳の金髪ねーちゃんが
あられもない姿で、あられもないポーズで
パソコンの画面に張り付いたまま
なまめかしいこと極まりない
そんな非常事態
１６インチの画面いっぱいの
おっぱいが揺れに揺れている有様で
３秒くらいの間隔でエンドレスにループ
そして夫が一言
こう申したのであります
「助けて・・・(ﾉД`)」
私は恩人から譲り受けた麦わら帽子を
おもむろに彼の頭に乗せ
大きく息を吸い込むと・・・
「ぁあたり前だぁぁああっ！！！」
・・・って
言うわけねーだろ
どーも、まままっこりです
今、初めてこのブログに訪れた方の為に
軽く説明しておきますが
私まままっこりには
１４年間苦楽を共に致しました
内縁の夫がおります
夫は比類なき機械オンチ
ダブルクリックも３回に１回の確率でしか
成功できないほどパソコンの扱いには不慣れな男
そしてどこか不憫な男
まー、早い話が
ワンクリック詐欺に引っかかって
エッチな動画の請求画面が消えない、と
もうね
今時、ワンクリック詐欺に引っかかる人
初めて見た
そんで
マンガみたいに体育座りで落ち込んでる人間も
初めて見た
記念に写真に撮っておきたいくらい
ちょうど娘が
卓球の試合で遠征中なのが
せめてもの救いだった
どーしても娘に嫌われたくない夫は
「娘が帰ってくる前になんとかしてくれ
頼む、後生だ」っつって
私におっぱいを丸投げしてきた
おいおい嘘だろ
今、夜中の１２時なんですけど
明日も朝から仕事なんですけど
とりあえず再起動してみた
ｳｨ~ﾝ･･･
おっぱい再び
金髪ねーちゃんがエロい目で見てくる
しかもおっぱいがカウントとり始めた
２４時間以内に１０万入金しろってよ！
とりあえずウィルスソフトで
スキャンしてみた
１時間ぐらいかかった
そして時刻は１時をまわる
結果は陽性
うちのパソコンに
悪い虫がついた、ﾁｯ
しかも駆除できない、ﾁｯ
こんなんなるまで何したんだ
一応、夫にここまでの経緯を聞いてみた
「最初、YouTubeで釣りの動画を見てたんだ
そしたら急に変なとこに飛んで(←たぶんクリックミス)
男に後戻りは無い、前進あるのみ(←「戻る」って操作を知らない)
そう思ってどんどんクリックして進むうちに
まるで導かれるようにたどり着いたんだ
それは『おっぱいの楽園』だった
「続きはコチラをクリック」
っていうのが出たから
嗚呼、これはお告げだって思って
清らかな心で一心不乱にクリックしたよ
「１８歳以上の方は同意してクリック」
っていうのも出たから
これは試されてるって思って
大人として堂々とクリックしたよ
そしたら「登録完了」ってなって
そして・・・
今に至るわけだ」
うん
聞かなきゃ良かった
真っ直ぐにバカだった
全ての地雷を踏みながら
ここまで来たって経緯だけはわかった
でもかなり時間を無駄にした気はする
私も、読者も
そして夫は言った
「そこにおっぱいがあったら、お前
手を伸ばすのが男ってもんだろ？」
な
なんて真っ直ぐな目・・・
そして聞いたことも無い名言
そーか
男ってのはこうも不器用な生き方しかできないのか
でも、言わせてもらいますけど
ここにも一応おっぱい
ありますよ？
一つも手が伸びてきたこと無いんですけど
私を前にした時だけ偶然に五十肩でも発症してんの？
ゴム人間になれる悪魔の実でも食わしたろか
って、それはさておき
夫はこうも言った
「誤解の無いよう言っておくが
別にこの金髪のねーちゃんに釣られて
クリックしたわけじゃないんだ
こんなの全然好みじゃないし
ほんとは黒髪で色白の和服美人の
クソエロい動画をクリックしたんだけど
でもなぜかこの金髪がしゃしゃり出てきて・・・」
そんなことはどーでもいい
てか、お前のAVの好みなんて聞いてない
目下の課題は
今、パソコンが使えないという事実
これを払拭する必要がある
まー、仕方ないので
「システムの復元」をすることにした
「しすてむのふくげん？何それ？」
と、夫が聞いてきたので
「時間を戻す魔法です」
と、言っておいた
どーせ説明してもわかんないでしょうからね
こんなこともあろうかと
バックアップとって置いて良かった
さすが、私
偉い、私
頼れるのはもう自分しかいない
でもまー
夫を擁護するわけじゃないけど
夫の言い分ももっともだなとは思う
夫は私の丁度ひと回り年上の５３歳
昭和で時を止めた男っつーかね
テレビとかビデオデッキを叩いて直してた時代を
果敢に生きてきたヤツでね
平成の世で
薄型テレビにシフトしつつある時なんか
叩くスペースが無ぇじゃねぇかっつってね
悔し涙を流すような不器用な男なわけ、ほんと
だから引越しの際
電気系統の配線なんかは
全部私がやってきた
私もそんなに機械に強い方じゃないけど
必要に迫られてはしょうがないってんで
全部やってきたわけ
そんな男にパソコンなんか
まともに扱えるはずありませんから
デスクトップの設定や
YouTubeへの最短操作の確保
見たい動画の検索と
何から何まで私がやってきたわけ
だから今回の事件は
そんな私の過保護さが招いたといっても
過言じゃないのかもしれない
しかも、彼の若い頃のエロ事情っつったら
エロ本とかエッチビデオとかの時代なわけ
若い方には今ひとつピンと来ないかもしれないけど
一昔前の男たちは女体の神秘を求めるにあたって
常に体当たりって言うか
勇気を試されてたって言うか
今みたいにスマホやパソコンで簡単に
エロが手に入る時代じゃなかった
自分から行動しないと手に入らないような
そうさ今こそアドベンチャー的な
エロアイテムしかなかったわけで
本屋やビデオショップに自ら赴き
冷ややかな大衆の目を交わしながら
１８禁コーナーという名の黄金郷を目指す男たちは
さながら大航海時代に新大陸を発見した
コロンブスのようであり
店員の興味をそらす為
別の雑誌で挟んでレジに持っていく手法
名付けてサンドイッチの計や
部屋でうっかりおかんに見つからないように
ベッドの下に隠すという
簡単セクシャル収納術などを駆使しながら
日々、孤軍奮闘していたわけです
そんな苦労の耐えない
性春時代を送ってきた彼の前に
指先一つでおっぱいが現れる奇跡
心理学的にも遺伝子学的にも
到底、抗えるわけがない
で
そこに目をつけたのが
詐欺師のみなさん
ワンクリックだけでも
年間１００億円ぐらいは
荒稼ぎしちゃってるらしいよ
すごいね
まー、夫も
これに懲りて
パソコンの扱いには
気をつけてくれることでしょう
って思ったんだけど
私ときたら
完全になめてた
男の本質ってやつを
夫がまさかの発言を口にする
「ねー、ところで
和服の動画はどうなったの？
どうやったら見れるの？」
(ﾟДﾟ)！？
野郎、全然懲りてなかった
っつーか和服のエロ動画のこと
諦めてなかった
てか、見えてる？
私が今何してるか
わかってる？
こっちはもう
かれこれ３時間もの間
睡眠時間削って復元してるっつーのに
夫の頭ん中
エロ一色
もう５３歳だし
そーいうのは卒業したんだろうって
勝手に思い込んでたけど
雄としての嗅覚は
全然衰えてなかったらしい
エロに挑む情熱
エロにかける覚悟
エロへの飽くなき探究心
そのどれも失ってなかった
なんかもう逆に尊敬する
わかった
夫よ
今回、和服のエロ動画は
諦めてもらうけど
いつか
VR買ってやる
VRで
卓越した世界を
堪能するがいい
だからそれまで
長生きして下さい
てか
すげー馬鹿馬鹿しい
すげー眠たい
( ´_ゝ`)
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PS：最近、ワンクリックどころか
ゼロクリック詐欺ってのもあるらしいよ
気をつけようね
