カラスVSまままっこり【逆襲の鶏肉編】
前回のあらすじ
愛車のレッドジャガーを転がし
今日も玉子を追い求め
旅を続けるまままっこり
やっとの思いで手に入れた
タイムセールの玉子のパックを
黒いカラスの魔の手によって
粉々に打ち砕かれ
夢も希望も失ったまま
気がつけばまたこの場所に
まままっこりは帰ってきていたのだった
( ´_ゝ`)
どーも、愛の戦士まままっこりです
前記事の続編です
前記事読んでない人は
ちょっと顔洗って出直すよろし
あれからというもの
私は完全にカラスにロックオンされてるわけです
こいつちょれーって思われたわけです、きっと
例のごとく
玉子のセールの日がまたやって来たから
ルンルンで買い物をすませた後
例の酒屋で煙草を買うため
レッドジャガー(まままっチャリ)を
酒屋の前に止めて
酒屋の中に入ろうとしたんだけど
なんかね
虫の知らせじゃないけど
そん時はなぜか
あっ！っつって
クルっときびすを返したのね
そしたら
レッドジャガーの籠のとこに
いたの、カラスが
２羽
もう、クローズ
２羽もいたらクローズゼロよ
百獣の王率いる芹沢軍団よ
案外カラスってさ
近くで見ると大きいのね
しかも２羽だし
怖いの何の
声も出ないの
関係ないけどそう言えば
今まで悲鳴って出したこと無いんだけど
キャーッ！ってやつ
いつもヒィーッ！とか
ウォーッ！とかなんだけど・・・
どーやって出すの？キャー
まー、それはさて置き
お互いちょっと固まってね
一瞬だけ見詰め合って
気まずさだけは共有してるんだけど
でも向こうはほら
飛べるから、空
ブァサッ！！っつって
同時に飛び立ったもんだから
その振動でレッドジャガー横転して
結局、また玉子全滅したのね
もっかい玉子に並ぶ勇気も無く
覚えてろーっつって三下の台詞吐いて
泣きながら傷ついたレッドジャガー押して帰った
籠から玉子の汁がポタポタ垂れて
家路まで点々と跡がついた
ヘンデルとグレーテルも
これなら家に帰れたねきっと
袋の中の食パンもベチョベチョだった
そのままフレンチトーストにできるくらいだった
家の前の電線に２羽のカラスが止まってた
私をあざ笑うように
アーアー鳴いてた
くっそー
カラスの分際で・・・
それから私は
玉子のセールの日は
慎重に事を運ぶようになった
玉子を買った日は絶対買い物袋を持って
酒屋に入るようにした
カラスから玉子を守るのは
言わば家族を守るのと等しいくらい
大切な私の仕事となった
それからしばらくして
ある日のこと
創立記念大感謝セールの日がやってきた
この日をどんなに待ち望んだことか
あらゆる食材がお買い得な上に
ポイントも普段の３倍となるのだ
普段、このスーパーでは
豚肉、鶏肉、牛肉が
よりどり３パックで１０００円という
お得な売出しがあるのだが
大感謝セールの日は
なななんと
よりどり４パック１０００円となる
最高これ
大感謝セールにこっちが感謝したい
当然ながらこれを狙って
近所の猛者たちが集結するから
私も微力ながら馳せ参じるわけだけど
私の狙いは何と言っても
鶏モモ肉と豚バラスライス
いくら買っておいても損は無いものね
なんてったって万能だもの
首尾よく鶏モモ２パックと
豚バラ２パックを手に入れて
もう万能というかむしろここまで来ると
全知全能を手に入れたといっても
過言じゃないよね
他にもパスタの麺とか豆腐とかいっぱい買って
鼻歌交じりの小粋なステップを披露しながら
店を出たわけ
店の前には相棒レッドジャガーが
お行儀良く待っててくれて
どーだったー？なんつって
荷物、重いっしょ？早く乗せなよーなんつって
心なしかレドジャガーも輝いてたよね
さーて、なんか気分いいから
煙草のついでに
たまには夫にビールでも
買っていってやるかーつってね
いつもの酒屋にササーっと寄って
煙草とビール買って
ご機嫌で家に帰った
生ものを冷蔵庫に仕舞いながら
ハタっと手が止まった
あれ？
この鶏モモ肉
買ったときは１パックの中に
肉が３枚入ってたのに
２枚しかない・・・
もう１パックの鶏モモ肉を確かめた
３枚入っている
えー？えー？何で何でー？
一枚無くなってる、えー？
もう一度さっきのパックを手に取って見た
めっちゃ見た、もう穴が開くほどめっちゃ見た
てか実際
ラップの部分に３・４センチの穴が開いてる
(ﾟДﾟ)
改めて買い物袋を調べたら
見慣れた横穴が開いていた
やーらーれーたー！！
またしてもやられた
何という鮮やかな手口
ここまでくると
敵ながら天晴れと
賞賛の拍手を送るしかない
まさにアルセーヌカラス
とっつぁん、またしてもあいつら
とんでもないもん盗んでいったよ
それは我が家のおかずですっつって
貴方の心並みに盗んでいったよ
カラスがどんな菌持ってるか分からないから
そのまま鶏モモ肉のパックは捨てるしかない
せっかく４パック１０００円だったのに
１パック無駄にしてすげー損した気分
カラスごときに３度も遅れを取った
完全なる敗北
悔しい
悔しい
悔しい
くっそー
てかあいつら
同じ鳥類のクセに
なんであんなに鶏好きなん？
玉子から鶏肉まで
何なん？献立親子丼なん？
膝から崩れ落ちる私の肩を
夫の手がポンポンと叩く
慰めてくれるのか
いや
夫はそんな甘い男じゃない
カラスごときに
膝をつく男なんかじゃないし
私なんかよりずっと
復讐に燃える男
夫は
一度はゴミにした鶏肉を取り出し
手際よく肉にある加工を施した
そして再びパックに戻し
丁寧にラップをかけると
レッドジャガーの籠に入れ
そのままスーパーの前に
レッドジャガーごと放置した
しばらくして
レッドジャガーを確かめると
綺麗に鶏肉は無くなっていた
夫はフッと不敵に微笑んだ
夫が何をしたかというと
鶏肉の中に
大量の唐辛子と豆板醤を練りこんだのだ
ダチョウ倶楽部も引くぐらい
出川もヤバイヤバイ言うくらい
それはもう
目を輝かせて練りこんでたよね
次の日
夫が言うには
家の前の電線に止まるカラス達の声が
ア”－ア”－っつって
すげー枯れてたんだって
もう、超笑ってた、夫
腹抱えて爆笑、おかしー！っつって
もうね
久々に生き生きしてさ、夫
私は正直そっちの方が怖かったっつーか
敵は本能寺じゃなくて実はお家にいたっつーか
何ならカラスどころじゃないんじゃないかって
ちょっと不安になったよね
内なる獣をさ、このまま
目覚めさせてはいけないって心から思ったよね
今のところ
カラスの被害は落ち着いてます
でも、すげー見られてる気がする
いつも視線を感じる
たぶん
頭のいいあいつらのことだから
私個人をちゃんと認識してると思う
認識した上で
あいつには
やべーバックが付いてるっつって
噂してるに違いない
てか、今日も
家の窓にカラスが止まっていたのだけど
夫が網戸越しに豆板醤を塗ったので
逃げていきました
何より
夫を敵に回すもんじゃないなって
思ったまままっこりでした
(ﾟДﾟ)ﾉ
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