つまらぬものを斬ってしまった

誰の琴線にも触れないであろう日常のカタルシス

娘の卒業式で「仰げば尊し」の真髄を見る

f:id:mamamaccori:20190316011315j:plain



 

どーも、まままっこりです

お久しぶりぶり

 

もう・・・

もうね

ここ数日の忙しさったら無かった

舐めてた

受験生の母親ってポジション

 

でも一昨日

無事に娘が中学校を卒業しました

そんで昨日

受験発表でした

 

合格しました

 

おめでとう、子まっこり

おつかれさん、まままっこり

  

忙しすぎて

ブログ読む暇も書く暇も無かった

 

今日は高校説明会でした

これから入学の準備

まだまだやることいっぱいある

 

とりあえずは

義務教育を終了し

少しだけ肩の荷が降りた

 

ちょっとだけ落ち着いたので

改めてここに

我が娘こと、子まっこりの卒業式を

まままっこり目線で

したためておこうっと

 

 

f:id:mamamaccori:20190316011506j:plain

 

 

まず卒業式の前日

ヘルペスが出来た

 

ヘルペス2世まままっこりの誕生

 

何だよヘルペスって

 

ヘルペス

単純疱疹と言うらしい

ジクジクと水ぶくれになる

水虫みたいなやつ

 

上唇の上のくぼんだところ

(名称なんていうの?)に出来てしまった

 

上唇の上の鼻の下の謎のくぼんだところ

(ググッたら人中ジンチュウって言うらしい)

に出来てしまった

 

あー、最悪

 

明日は記念すべき卒業式

母親たちはこの日ために

一張羅のスーツや

しまっておいたパールのネックレスを引っ張り出し

中にはお着物まで引っ張り出し

タンスにゴンの臭いを必死で消し

風呂上りのパックにも余念が無く

ここぞとばかりにめかし込んで

わが子の晴れ舞台に挑む日

 

レッドカーペットでも歩くぐらいの意気込みで

アカデミーかグラミーでも取りに行くかの如く

もう、気合入り過ぎて誰が主役か分からん

全員容疑者アウトレイジ

 

それぐらい中学校の卒業式には

伝統と格式と見栄とプライドが蠢いている

 

そんな大事なときに

 

私の人中にはヘルペス

ヘルペス in the 人中

 

てか何だよ人中って

 

すげーかっこいい名前なんですけど

危うくスルーするとこだったけど

 

トイレのスッポンが

ラバーカップって名前だった時ぐらい

衝撃なんですけど

 

俄然興味沸いてきた人中

ググるよ人中

 

なんか、鼻を湿らせておくために

必要な溝らしい

鼻が湿ってることが嗅覚に有利と

ウィキペディアに書いてあった

 

いたって地味な役割だった

 

犬にも猫にも猿にも熊にも

あらゆる生き物の鼻の下にあるのに

計り知れない可能性を期待していたのに

 

秒で興味が去った

 

問題は人中なんかじゃない

ヘルペスだった

忌々しいヘルペス

 

このヘルペスを1日でどうにかしなきゃと

チョコラBBを飲み、薬を塗って

ブログ読むの我慢して寝た

 

けど1日じゃ当然どうにもならなくて

化粧なんて到底出来ないから

卒業式はスッピンでコミットすることにした

 

猪突スッピン

進撃のスッピン

その女、スッピンにつき

 

もういいや

ヘルペスだし

スッピンだし

スーツもやめて春物のワンピースで行こう

 

しかしこれが功を奏したらしく

子まっこりには至極褒められた

 

親バカならぬ子バカじゃないけど

ままはお母さん達の中では若く見えるから

大丈夫、可愛い、似合ってる

42歳に絶対見えない

 

って言ってもらえたけど

 

子まっこりよ・・・

 

ままはまだ41歳です

 

そんな感じでまっこり親子は

朝の8時半

卒業式会場(体育館)に到着

 

会場に着いたら

卒業生は胸にお花を飾り

会場の外で待機

私はプログラムをもらい会場の中へ

 

同じクラスの父兄と軽く挨拶を交わしながらも

母親達の目は鋭く光り

仁義無きファッションチェックが始まる

今年はお着物のお母さんが多い

いつの間にか着物ママに囲まれた私は

見えないチャカをこめかみに突き付けられ

 

(゜д゜メ)オウ

 

卒業式はタマの取り合いやで

覚悟しいや

 

(゜д゜メ)オウ

 

スッピンさらしてワンピースなんぞ

ヒラヒラさせとったら

その首飛ぶかもしれまへんで

 

((((;゚;Д;゚;))))カタカタカタカタカタカタカタカタカタ

 

すすすすみません姐さん方

カタギなもんで卒業式舐めてました

ケジメ着けさして貰います

 

とりあえずお着物を褒めそやし

朝早くからの着付けを称え

美容の秘訣を伝授してもらい

その場を乗り切った

 

卒業式は9時半から始まった

父兄の間を通って卒業生が入ってくる

最初のシャッターチャンス

私はスマホとデジカメを駆使して

両手をプルプル震わせながら

動画と写真両方のベストショットを狙う

 

その姿をチラっと見た子まっこりは

スッと目をそらし早足で行ってしまった

 

後日談では、お前は井上公造かと

 

気を取り直して式に集中することとして

開式の言葉があり、国歌斉唱

君が代を歌い上げると

早々に卒業証書授与

卒業生は全部で106名

 

各担任に一人一人名前を呼ばれると

壇上に上がり校長先生から卒業証書を貰う

 

校長先生も生徒の名前を呼び

卒業おめでとうと声をかける

 

その間、音楽の先生が

舞台端のグランドピアノで

ゆったりと生演奏を奏でるナイスアシスト

 

子まっこりは

95番目ぐらいに呼ばれるので

まだ先が長い

 

と余裕をこいていた私

 

突然、下腹部に違和感が走る

 

嫌な予感も走る

 

 

( ´_ゝ`)

 

 

あかん

 

屁が出そう

 

いやいや

ありえへん

こんな時にこんな所で

 

余裕はこいても

屁をこくわけには行かない

何があろうと

断じて

それだけはマズイ

 

トイレに行こうかとも思ったが

前には元PTA会長夫妻

後ろには祖父母込みの一家大集合家族

両サイドには着物レディース

 

びっちり片寄せ合って座ってるわけで

ちょっとお手洗いになんて

言える状況でも無ければ

時間も無い

1ミリも動けない四面楚歌

 

それより何より

今立ち上がったら

その衝撃で出てしまうであろう

危険性の方が恐ろしく

手が出せない

いや厳密には屁が出せないのだが

そんなことはどうでもいい

 

この遺憾ともし難い屁の存在を

誰にも知られてはならぬ

 

外に出してはならぬ

自由を与えてはならぬ

 

何とか屁を腹の奥に引っ込めなくてはならぬ

ええい

ならぬと言ったらならぬのだ

 

覚悟を決め

尻を締め

深呼吸を一つ

額には冷や汗が滲む

 

壇上のグランドピアノだけが

かくも美しく、それでいて哀しく響く

 

私はその音色に耳を傾け

最初の波を乗り切った

 

春よ来い なごり雪

卒業写真 ロビンソン

 

層々たる名曲ぞろい

会場のボルテージは一気に上がり

目頭を押さえる者が後を絶たない

 

子まっこりが壇上に上がる頃には

私もすっかり感動して

幼い頃の子まっこりを思い出し涙した

 

なんて立派に成長したの

 

私はカメラで両手がふさがっているので

涙を拭く余裕は無いが

一時の間、忌まわしい屁の存在を

忘れることが出来た

 

しかし屁は居なくなった訳ではない

 

虎視眈々と確実に狙いを定めて

腹から下がって来ている

 

式はまだ始まったばかり

卒業証書授与が終わると

校長先生の長~い式辞

教育委員会のもっと長~い告辞

誰か分からん来賓祝辞

祝電披露

在校生送辞

卒業生答辞

 

名だたる刺客が次々と待ち構え

あらゆるトラップを仕掛けてくる

 

 私は弱気になっていた

 

下っ腹がちょっと痛い気がする

もうダメかもしれない

でもトイレには行けない

どう考えても無理

遠すぎる

持たない

 

今まで持ち堪えてきた尻の筋肉が

もう悲鳴を上げそうだ

 

尻が悲鳴を上げるとしたら

それはもはや屁以外の何者でもないのだが

今の私にそれを分析するほどの冷静さは残されていない

 

そんな時は決まって悪魔が囁く

 

いっそ静かにスカしちまいなよ

楽になれるぜ

 

いやいや馬鹿おっしゃい

スカしは香るのである

まるでスガシカオみたいになったけど

きっと夜空の向こうまで香ってどうしようもないのである

特に41歳中年のスカしは強烈である

スカしの臭さには男も女も無いのである

 

しかもサイドは着物レディース

スカしの罪を擦り付ける度胸など

私は持ち合わせてはおらず

肩透かしを食うばかりである

 

それならオナラ

拍手の隙を狙って放つというのはどうだろう

音に紛れて誰も気づかないさ

 

それこそ愚の骨頂

屁の振動を舐めてもらってはいけない

その振動たるやサイドの着物レディースはおろか

後ろに鎮座する大家族にもマグニチュードを与えてしまう

しかも

拍手とのタイミングがずれてしまえば一環の終わり

拍手の後の静けさといったら

それはもう耳キーンぐらいの静けさ

体育館は響くのである

だいぶ端に座っている 方の鼻をすする音が

こちらまで聞こえるぐらいである

私はもう41歳だ

41歳ともなると随分尻も緩み

屁の音量も音域もコントロールできない

可愛らしい少女の含み笑いのような音色も

戦いのラッパの如き音色も自在に操ってきた

若かりし頃の筋肉はもう無い

一発で終わらせる保証も無い

音が出る奴は無臭とか言う迷信も信用できない

 

そもそも

屁はそんなに悪い奴かい?

お前の体に必要な機能じゃないか

 

確かに屁には悪気が無い

むしろ私の体のことをいつも思い

最善に考えて行動しているのだろう

しかし

私のことだけ考えるあまり

周りが見えなくなっているのだ

屁は私さえ良ければ良いのだ

周囲にどんなに迷惑がかかろうとも

その信念だけは決して曲げない

それが私の屁

 

やはりリスクしかないのだ

 

誰も幸せになれない

 

自問自答を繰り返していくうちに

 冷静になれた

 

私は屁の存在を受け入れ

屁と共に生きることを覚悟し

屁を墓場まで持っていくと誓った

 

卒業式もいよいよ終盤を迎えようとしていた

 

長かったここまで

読者様にはもっと長かったろう

 

卒業式のクライマックス

在校生と卒業生の歌

 

旅立ちの日に」を歌い

「3月9日」を歌い

 

私の頃は

仰げば尊し」と「乾杯」だったなぁと

時代の移り変わりに思いを巡らせ

卒業式って歌を歌うの多いよな

とか思っていた

 

卒業生たちは泣きながら

中学生活最後の校歌を歌った

 

教頭先生が

閉式の言葉を述べて

卒業式の幕が閉じようとしていた

 

その時

 

 

ぶぶっプゥー・・・

 

 

(゚Д゚)

 

会場中に響く凄まじい騒音と共に

マグニチュード発生

余震も続いている

 

私じゃない私じゃない

今のは私じゃない

 

違う違う、違う

そうじゃな~い

思わず心のマーチンも歌いだす

 

私の前の席

元PTA会長様

 

やりおったわ

 

さすが元会長

私達父兄を長年に渡ってまとめ上げてきた

猛者ともいえる男だけあって

 

誰も文句が言えない

 

私のまん前で

今の今まで沈黙を守ってきた男が

卒業式のフィナーレを迎え

まことに天晴れな放屁っぷり

 

卒業式に我在りと

圧倒的存在感を示して見せた

 

てか

 

臭っ

 

何食ったんだお前

 

目、痛っ

 

おい、隣の元会長夫人

プログラムで密かに仰ぐんじゃない

こっちに風来てんぞ

被害が拡大してんぞ

 

仰げば尊し我が死の屁」っつって

うまい事言ってる場合か

オホホじゃねー

 

・・・・

 

そんな中

卒業式は無事に終了した

 

気がつけば

己の屁のことは忘れていた

私の中から屁は消えていた

 

身をもってオナラの怒りを

静めて下されたのじゃ

会長は谷を守ったのじゃ

 

元PTA会長夫妻に

今は感謝しかない

師と仰ぐほか無い

 

仰げば尊し、我が師の恩

 

(゚Д゚)ノ

 

 

ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村