つまらぬものを斬ってしまった

誰の琴線にも触れないであろう日常のカタルシス

ネイティブと戦え【その2】

前回より

いい歳こいて英語がからっきしなところを

恥も外聞も捨ててお送りしています

 

どーも、まままっこり改めうんこです

 

「え、何?突然」って思った方は

コチラの記事をまず完読してから挑んでください

 

www.mamamaccori.com

 

 

もうね、ツイッターでね

おすすめユーザーにトランプ大統領とか薦めてくるけど

何書いてるか全く分かんないから

怖くてフォローできないわけ

ていうか、自分も何言っちゃうかわかんないし

 

前回の記事で

あろうことか、来店した3名の外国人に

失礼極まりないにもほどがあり余る

衝撃の一撃を放ってしまった私

きっとトランプにも失言して

日米関係悪化させると思うのよね

 

 

というわけで続き

オーダー編です

 

 

 

当然と言えば当然だけど

国籍以上に心の距離が遠く離れたまま

なんとか席に着いてくれた3人だったが

 

私は己の犯した罪に一切気づくことなく

むしろ、誇らしげに温かいほうじ茶とおしぼりを出し

それからメニューを広げて見せた

 

そこでまた試練が追い重なる

 

メニューは全部日本語で書いてある

 

第二の刺客が私の頭に銃口を突き付けている

 

(゚Д゚)

 

私は前から口を酸っぱくして

それはもうポッカレモン一気飲みするぐらい

身も心も酸っぱくして

フロントのメニュー製作者に訴えたのに

 

外国語のメニュー作ってくださいって

一冊でいいから作ってくださいって

 

こんなときのために

 

今、この瞬間のために!

 

でも英語表記のメニューは作ってもらえなかった

だからこんなことになってる

メニュー見て3人とも固まってる

 

( ゚、ゝ゚)( ·_ゝ·)( ´_ゝ`)

 

そりゃそうだろうとも

 

天ぷら膳なんか天麩羅膳って

思いっきり漢字で書いてある

 

暴走族の特攻服かぐらいの漢字で

四路死苦っつって天麩羅上等つって喧嘩売ってる

 

うっかり漢字マニアの外国人が

タトゥーにしてしまってもおかしくない

 

斉藤さんがメニューを指差しながら

一つ一つ料理のことを聞いてくる

 

ここで挽回せねば

うんこの汚名を晴らさねば

チャンスはここしかない

 

まず斉藤さんが指差したのは

うな丼

 

うな丼・・・

いきなりのピンチ到来

どう説明すればいいの

 

「ディス・・・ウ、ウナDON・・・」

 

ごっつ日本語

一言一句日本語

日本語の完全体

さらに

 

「ウナーギ、ドゥユーノー?

    ウナーギ、ニョロニョーロ?」

 

手で鰻つかみを表現中

 

「ドンブーリ、コンクライノー

    ドンブーリ、オーケー?」

 

手で丼を表現したのは言うまでもない

 

「ウナギDONブーリ・・・オーケー?」

 

オーケーなわけない

談じてない

 

でも、斉藤さん察してくれた

「Ohー!ドンブーリ!?」

 

おお、反応いいじゃん

 

「イエース、イエース、ウナーギドンブーリ♪」

斉藤さんも「Oh、ウナーギウナーギ♪」

やった初めて心が通じた

 

でもペネロペが

「NO!ドンブーリ」

あっさり却下

 

斉藤さんもハッと我に帰って

違うメニューを探し始めた

あっさりと手のひら返し

え、さっき私達心通ったよね?

もうハイタッチしかけたよね?

 

ペネロペめ

私を目の敵にしおって

 

次に指差したのは

単品の刺身

 

単品ってとこが引っ掛かるけど 

刺身はもはや

インターナショナルな

グローバルな食べ物

 

ちょっと食い気味で言ってやったよね

「ディス、サシーミ」って

 

今度はペネロペが好反応

「サシーミ、♪jvsすdk・・・ペラペラ」

 

今日イチのテンションでなんか言ってる

ここに来て初めての笑顔も見せてる

これは決まるか?決まっちゃうか?

 

BUT

 

今度は斉藤さんが

「NO!サシーミ」

 

何それ

全然合わないこの二人

若干ピリついてる

何?付き合ってんの?

ココ来る前になんかあった?

 

すかさず次は

豚軟骨の黒糖煮を指してきた

 

これは日本人にも説明が必要なメニュー

私の島の郷土料理で

豚の軟骨を黒砂糖と島の醤油と

黒糖焼酎で骨まで柔らかく煮たもの

 

この料理の説明はハードル高い

高すぎるハードルは飛ばないのが良策

 

ここはあきらめて

だいぶハショッた

 

「ディス、ボイルドポーク」

 

( ´_ゝ`)

 

さすがの斉藤さんも無言でスルー

 

でしょうね

茹でた豚ですもんね

こっちもこれ以上突っ込まれても

何にも出ないんで次逝って下さい

 

堂々の天麩羅膳

もう、これは

下手な小細工が一切いらない

日本が誇る超有名ジャパニーズフード

 

「ディス、テンプーラ、エーンド

 ラーイス、エーンド、ミソスープ」

 

それはもうスラスラとなめらかに

単語が出てくる出てくる

私ったらこんなに饒舌だったかしら

ってほどに得意気にどんどん出てくる

 

 

「シュリンプ、フィッシュ、ベジタボー

 イェアー、テンプーラ

 イエス、テンプーラ

 イエスタカスクリニック

 

 

斉藤さんもペネロペも

前のめりで聞いてたよね

ところでムック

さっきから一言もしゃべらないけど

起きてる?

てか生きてる?

 

もう、これは決まりでしょう

天下の宝刀テンプーラで

決まったでしょう

 

でも何やら斉藤さんがまだ

気になってる感じ

レストランおすすめの

黒豚トンカツ膳が気になってるご様子

 

コレは?ってゆー目で見てくる

島のブランド豚

黒豚を使ったトンカツ

 

「ディス、ポークカツ・・・えーと」

あ、黒い豚だからブラックか

 

「ブラックポーク・・・えーとえーと」

んんー、カツって何語?英語違うの?

揚げ物だからフライか?

フライだろ

よし、フライでいっちょやってみっか

 

「ブラックポーク、イズ、フライ!!」

 

 

( ゚、ゝ゚)( ·_ゝ·)( ´_ゝ`)???

 

 

我ながらよく説明できたと思ったんだけどね

なんてゆーの

カオス

突然のカオス

 

テンプーラで一同の心をこう

ガッと鷲づかみにしたと思ったんだけどね

なんかいつの間にか台無しにしてた

 

 

黒い豚肉が飛ぶ!!!

 

 

って、まるで何かに取り付かれた様に

謎の不吉な予言をね

声高々に叫んだだけだったみたい

 

遅れてきたノストラダムスみたいな

そう解釈されたんだろうね

 

私としては

すこぶるポテンシャルの高い意味不明を

お見舞いしたところで

自分の間違いには気づいてないから

それはもうご満悦なわけ

 

とんだジャパニーズのご乱心に

 お三方もだいぶ驚いたんでしょうね

というか恐怖すらあったでしょうね

 

満場一致で

天麩羅膳をご注文いただいたわけで

ブラックポークのくだりは全カットで

無かった事になったよね

 

てかさー

最初っからずーっと気になってたんだけど

 

斉藤さん、パソコン持ってるじゃん

日本語の翻訳とかできたんじゃない?

 

まー、私のほうが英語で答えられないから

一緒か・・・

結局振り出しだわ

 

そんなこんなで無事に

天麩羅膳を運んで

やっと食事にありつけたお三方

 

じゃー、私はこれで失礼しま・・・

 

「ぺらぺらぺら・・・」

斉藤が呼んでる

何?まだなんかある?

 

あー、天つゆと山椒塩を指差してる

 

私はまず山椒塩を指して

「ディス、ソルト」

ホントはもっとこだわった塩だけど

もう説明するの疲れた

やっつけソルトした

 

「エーンド、ディス、テンツーユ」

 

( ゚、ゝ゚)?

 

さすがに天つゆは理解できないか

 

「テンプーラ、イン、テンツーユ

 すると、ベリーデリシャス、オーケー?」

 

( ゚、ゝ゚)??

 

やべー

ココに来てまた面倒なことに

天つゆってどう言えばいいの?

ソースじゃないし

スープじゃないし

 

天つゆ天つゆ・・・

 

「OH!」

そこで斉藤さんがひらめいた

なんか降りてきた

 

「ディス、・・・出汁?」

 

(゚Д゚)ぇ・・・

出汁知ってんの!?

ちょっと違うけどいいや

もう、出汁でいいや

 

「イエース、イエース

 ディス、ダシ、テンダーシ」

 

斉藤さんも鼻高々

良かった解決して

 

それじゃー、今度こそ私は失礼しま・・・

 

「Hey!」

 

(゚Д゚;≡;゚д゚)

え、誰?誰が呼んだの?

 

「ぺらぺら・・ぺーらぺら」

 

お髭の奥がわずかに動いてる

まさか

 

 

ムックがしゃべったーーー!!!

 

 

「What is this?」

 

お茶を指差してる

 

「リョクチャ?センチャ?ギョクロ?」

 

ムックまさかのお茶マニア

 

「ノー、ホウジチャ」

「ホージチャ?」

「イエス、ホウジティー

ちょっと調子乗って言い直したけどスルーされた

 

「ベリー、テイスト、テンキュ」

ムックが笑った

たぶん

お髭でわかんないけど

 

良かった

最後の最後にムックと分かり合えて

 

ペネロペをチラっと見たら

天つゆを一気飲みしてたけど

もう私に出来ることはない

とにかく私はやりきったのだ

 

天麩羅に満足した3人は

 

「アリガトゴザイマース」

 

と言って帰っていった

 

深々と頭を下げ

合掌しながら

 

(*_ _)人(*_ _)人(*_ _)人

 

 

おしまい

 

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